2025年7月28日飯豊山初日


会津若松駅から始発に乗り、6時13分野沢駅到着。
タクシーで弥平四郎登山口へ。
バスは手前の弥平四郎までで、そこから未舗装路を1時間30分歩く。
その未舗装路をタクシーが走ってくれるのは本当に助かる。
路面状況はあまりよくなく、馬車に乗っている気分だった。

今回の飯豊山登山は、私にとって人生最大の冒険だ。
シュラフ、マットなどが必要な避難小屋はずっと避けてきたが、日本百名山を81座登りそろそろ避けて通れなくなってきた。
軽量なものを購入したが、それでも1kg重くなる。
もう一つの問題が猛暑。
弥平四郎登山口の標高は680mで北アルプスなどに比べて低く、かなり暑い。
7月19日には30代の男性が熱中症で動けなくなり防災ヘリで救助されたとのこと。
水は最低でも2リットル必要だが、水を多く持てばその分重くなり逆に熱中症のリスクが高まる。

祓川山荘の先で崩落があるとのことで、新道を登った。
登り始め、これまでに経験のないリュックの重さ、蒸し暑さ、延々と続く急登にこれは無理だと思った。
汗で全身びしょ濡れになり、10歩進んで息を整えるといった状況。
しばらく耐えると徐々に空気が爽やかになり、水が減ってリュックが軽くなり、休めばまた進めるということも分かったので少し気持ちが楽になった。

新道はブナの巨木があり、草などが刈られていて歩きやすくいい道だが、稜線に出た後滑りやすい砂利の急斜面がいくつかあり厄介だ。
疣岩山からは大日岳と雪渓の眺めが圧倒的だ。

三国岳山頂にある三国小屋で、スポーツドリンクがなかったのでコーラを買って飲んだ。
切合小屋も含め、ビール以外の飲み物は600円。
コンビニでスポーツドリンクのパウダーを買おうとしたのだが、なかった。
事前にドラッグストアなどで購入すべきだった。
三国小屋近くの水場は危険とのことで、実質ないのと同じ。
水が欲しければ買うしかない。
それでも全ての小屋に管理人がいて水が買えるというのはありがたいことだ。

三国小屋の先はいきなり滑りやすい急な下りだが、ここから高山植物の花が急に増える。
一歩間違えば地獄行きだが、あたりには天国のような光景が広がっている。

切合小屋には13時頃到着した。
普段はコースタイムの7割ぐらいで歩いているが、今回はほとんど短縮できなかった。
暑さとリュックの重さでなかなか前に進めなかった。

モンベルのエアマットを別売りの袋をつないで膨らませた。
口でやるよりずっと楽でいい。
枕を口で膨らませ、寝てみるとなかなか心地よい。
ただし幅が狭く寝返りはその場でしないといけない。
小屋の二階は暑く、シュラフが必要な気がしない。
暇なので寝てみたが、眠れなかったので山と高原地図を読んだりして過ごした。
電波が通じるのでスマートフォンも使った。

夕食は17時。
カレーでお代わりは1回までだが、余ればさらにもらえることもあるようだ。
夕食後は、二階は暑いので外の椅子に座って過ごした。
ガイドの方が話しかけてくださり、色々と話をした。
目の前には水場があり、常に水が出ている。
大量の雪渓があり、水が豊かなのは本当に助かる。
その先にはシシウドが咲いていて、絶景に花を添えている。
左手には飯豊山が雄大だ。
トイレは何と水洗(手動)で夢のようだが、故障で二つしか使えないので朝は行列ができる。
美しい日の入りや夕景をカメラに収めた。

トイレは小屋の外にある。
夜中にトイレに行くと、見たこともない星空が広がっていた。
飯豊山に沈みつつある北斗七星、その上に北極星。
その上のカシオペア座から西に広がる見事な天の川をしばし呆然と眺めた。


ガクウツギ





オクモミジハグマ





ここを通れと言うのは無理がある。





クロヅル





オトギリソウ





ミヤマコウゾリナ





大日岳から飯豊山に至る稜線。





ニッコウキスゲ





ゴゼンタチバナ





ノギラン





ミヤマホツツジ





三国小屋





ミヤマクルマバナ





ミヤマキンポウゲ





イワイチョウ





アキノキリンソウ





ウツボグサ





トリアシショウマ





ミヤマコゴメグサ





実際にはそれほど怖くない。





チングルマ





ヨツバシオガマ





マツムシソウ





飯豊山に沈む夕日とシシウド